看護師の場合、転職回数が少々多い分には、そこまで選考で不利になるケースは少ないです。

ただ一方で、あまりにも転職回数が多いと、転職活動の書類選考で見送られてしまうケースは増えてきます。

そこでこの記事では、転職回数が多い場合の具体的な面接の対策に加えて、回数が増える原因そのものをなくす「企業への転職」という選択肢を紹介します。

看護師の転職回数が多くなりやすいのはなぜ?

看護師の転職回数が多くなりやすいのはなぜ?

転職回数が多いのは、本人の我慢が足りないからだと思われがちです。しかし実際は、病院という働き方の構造そのものに理由があります。具体的には、大きく3つに分けられます。

1つ目は、働き方が体力に左右されることです。夜勤のある病棟は、年齢や家庭の事情によって続けにくくなります。

2つ目は、診療科によって仕事の中身がまったく違うことです。急性期とリハビリでは、必要な知識も1日の流れも別物になります。経験を広げたい人は、意識的に職場を変えます。

3つ目は、求人の多さです。看護師免許があれば地域を問わず働き口が見つかります。転職しやすい環境そのものが、回数を押し上げます。

看護師の平均転職回数はどのくらい?

看護師の転職回数の目安は、20代で1回前後、30代で2〜3回程度です。40代になると3〜4回という人も珍しくありません。

背景にあるのが離職率の高さです。病院で働く正規雇用の看護職員の離職率は、年間で10%台前半とされています。10人いる病棟から毎年1人が職場を変えている計算になります。この流れが数年続けば、転職回数が積み上がるのは自然な話です。

一般企業の会社員と同じ物差しで見ると多いと感じるかもしれません。看護師の世界では、3回程度までは特別に多いとは見られないと考えて問題ありません。採用側が説明を求めてくるのは、5回を超えたあたりからです。

転職回数が多い看護師こそ「企業への転職」がおすすめ

転職回数が多い看護師こそ「企業への転職」がおすすめ

平日の日中だけ働き、土日は休む。看護師の資格を持ったまま、そういう働き方をしている人が増えています。

企業で働く看護師の仕事にはどんなものがある?

一般企業にも、看護師を採用している職種があります。代表的なものをご紹介します。

産業看護師

企業の健康管理室で働きます。社員の健康診断の管理、保健指導、メンタル不調の相談対応が主な仕事です。病気になる前の人と関わる点が病棟との違いになります。夜勤はなく、勤務は会社のカレンダー通りです。

MR(医薬情報担当者)

製薬会社に所属し、医師や薬剤師に自社の薬の情報を伝えます。営業職にあたるため成果が評価に直結します。看護師出身者は、薬が実際にどう使われているかを知っている点が強みです。

CRC(治験コーディネーター)

病院側の立場で治験を支えます。患者への説明、来院スケジュールの調整、記録の管理が中心です。SMO(治験施設支援機関)に所属し、担当する病院に通う形が多くなります。患者と直接話す時間が長く、病棟の経験を活かしやすい職種です。

CRA(臨床開発モニター)

製薬会社やCRO(開発業務受託機関)に所属します。治験が計画どおりに進んでいるかを、病院を訪問して確認する仕事です。出張が多く、書類を扱う時間も長くなります。CRCを数年経験してから移る人が目立ちます。

フィールドナース(クリニカルスペシャリスト)

医療機器メーカーに所属し病院を回ります。医師や看護師に機器の使い方を説明したり、手術や検査に立ち会ったりします。担当する機器の分野で臨床経験があると採用されやすくなります。

どの職種も、追加の資格を取ってから応募する必要はありません。臨床でどんな現場を見てきたかが、そのまま応募資格になります。

企業なら働き続けられる可能性

企業勤務のいちばん大きな違いは勤務時間です。夜勤がなく、土日祝が休みという求人が多くを占めます。生活リズムが崩れないので、体力の心配から転職を考える必要がなくなります。

人間関係の形も変わります。病棟のように同じ数人と長時間過ごす環境ではありません。部署異動もあり、合わない相手がいても距離を取れます。

一方で、夜勤手当がなくなるため、入社直後は年収が下がる人がいます。病院と違って求人数が少なく、応募が集中する職種でもあります。

履歴書・職務経歴書の書き方

履歴書・職務経歴書の書き方

原則として、履歴書の職歴は省略せずすべて書きます。短期間だからと抜いてしまうと、経歴を偽ったことになります。社会保険の記録から発覚し、内定が取り消されるケースもあります。

詳細は以下、履歴書の書き方の記事を参考にしてください。
🔗看護師向け履歴書の書き方|職歴・自己PRの例文つき完全ガイド

なお、企業に応募する場合は職務経歴書の提出を求められるのが普通です。医療用語をそのまま使うと企業の人事担当者に伝わらないケースもあるので、一般の言葉に置き換えましょう。

職務経歴書の書き方については以下の記事も参考にしてください。
🔗【サンプルあり】看護師の企業転職|職務経歴書の書き方と自己PRのコツを解説!

転職回数が多い看護師の面接対策

転職回数が多い看護師の面接対策

面接官が感じている「この人はうちでも同じ理由で辞めないか」という不安を解消するのがポイントです。具体的な方法について解説します。

短期離職がある場合や転職回数が多いことは聞かれる

1年未満の退職など短期離職がある場合や、面接官に「転職回数が多いな」と思われそうな場合は、その点について聞かれる可能性が高いので、しっかり回答を準備しておきましょう。

転職理由をポジティブに言い換える

不満をそのまま口にすると、他責の人だと受け取られます。かといって嘘をつく必要もありません。不満の裏側にある希望に置き換えるのがコツです。

・人間関係が悪かった→チームで情報を共有しながら進める職場で働きたい
・残業が多すぎた→決まった時間の中で、質を落とさずに働きたい
・給料が低かった→経験や資格を評価してもらえる環境で働きたい

言い換えたあとは、前の職場を批判する形になっていないか確認してください。「前の病院は指導がいい加減で」と言った瞬間に評価は下がります。制度がなかったという事実だけを短く伝え、すぐ希望の話に移ります。

辞めた理由の一貫性

まずやることは、これまでの退職理由を全部書き出して並べてみることです。1つずつ見るとバラバラでも、同じ不満が形を変えて出てきているはずです。

例を挙げます。

・1社目(急性期病棟):処置に追われ、患者さんと話す時間が取れなかった
・2社目(療養病棟):一人ひとりに関われたが、退院後の生活までは追えなかった
・3社目(訪問看護):生活は見えたものの、関われるのは病気になった後だった

辞めた理由は3つとも違いますが、共通しているのは「もっと手前から関わりたい」という一点です。バラバラの退職理由を1本にまとめる作業が、転職回数への答えになります。ここまで整理できれば、複数の転職は寄り道ではなく、同じ方向への積み重ねとして伝わります

そして、この軸はそのまま志望動機になります。「病気になる前の人に関わりたい」という理由でつなげれば、産業看護師を志望する動機として筋が通ります。「新しい治療を届ける側に回りたい」なら、CRCやCRAの志望動機になります。

大事なのは、退職理由と志望動機を同じ言葉で結ぶことです。辞めた理由を語った時点で、志望動機の説明が半分終わっている状態が理想になります。ここがつながっていれば、転職を重ねてきた事実は、軸を探し続けた証拠として受け取られます。

将来のビジョンを伝える

「長く働きたいです」とだけ伝えても、面接官の不安は消えません。抽象的な決意より、具体的な材料のほうが信用されます。

3〜5年後にどうなっていたいか、具体的なビジョンを伝えることで、入社後に長く働く覚悟をアピールできます。

転職回数の不安はプロに相談

転職回数が多いと、もう選べる職場が残っていないと思われがちです。しかし実際は、準備次第で良い結果を得られることもあります。

回数そのものを消すことはできませんが、見せ方は変えられます。職歴を省略せずに書き、辞めた理由を1本の軸にまとめ、その軸を志望動機につなげる。この3つができていれば、転職回数は不利な材料になりづらく、さらに軸がそのまま志望動機になります。

とはいえ、一人でやろうとするのは大変です。自分の経歴のどこが評価されるのかは、外から見てもらったほうが早く見つかります。さらに企業の求人は公開されていないものも多く、探す段階からつまずきがちです。

そこで頼りになるのが我々のような看護師の転職支援に強い転職エージェントです。求人探し、書類の書き方、面接の受け答えまで1つずつ相談しながら進められます。

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