看護師が楽な仕事を選ぶのは、逃げでも怠けでもありません。心と体を守りながら看護師を続けるための、正当な判断です。

ストレスから離れたい、体力が持たないといった本音に加え、看護師の資格は手放したくない、給料が下がるのではという不安も重なり、どうすればよいのかわからなくなりますよね。

そこでこの記事では、楽な仕事を選びたいという気持ちの正体を見つめ、解決策として企業への転職という道を提示します。

ぜひ最後までチェックしてください。

楽な仕事を選ぶのは甘えじゃない!

忙しい日々の中で、「楽な仕事に転職したい」と感じるのは自然なことです。その思いの本質と、同時に訪れる罪悪感の正体を探ります。

なぜ看護師は楽になりたいと感じるのか

疲れの原因は、働き方の構造そのものにあります。

まず夜勤です。人の体は昼に起きて夜に眠るようにできています。そこを月に4回も5回もひっくり返せば、体調が崩れて当たり前です。休みの日も眠るだけで終わってしまいます。

次にプレッシャーです。看護師のミスは、そのまま患者さんの体に影響します。点滴1本、薬1錠でも気を抜けません。この緊張を8時間から16時間保ち続けなくてはなりません。

それに人手不足という問題もあります。1人が受け持つ患者数は多く、記録は勤務時間内に終わりません。ナースコールが鳴り続ける中で、優先順位を絶えず組み替える必要があります。

さらに、患者さんやご家族の不安を受け止める役割もあります。怒りをぶつけられても、笑顔で対応することを求められます。看護は、体力と神経と感情の3つを同時に使い続ける仕事です。疲れて当然だといえるでしょう。

罪悪感の正体

楽になりたいと思った瞬間、頭に浮かぶのは同僚の顔ではないでしょうか。自分が抜けたら誰かの負担が増える。患者さんを見捨てる気がする。この感覚が罪悪感の正体です。

しかし、これは本来マネジメントが担うべき問題です。あなた1人が責任を感じる必要はありません。

楽な仕事とは、手を抜く仕事ではありません。無理なく続けられる仕事のことです。体を壊して看護師を辞めてしまえば、その後は誰のことも助けられません。

異動と転職はどっちがいい?

異動と転職はどっちがいい?

働き方を変えるとき、まず候補に挙がるのが異動と転職です。それぞれについて解説します。

負担が軽いといわれる診療科に異動する

「あの科は楽らしい」という話は、どの病院にもあります。

外来は夜勤がありません。生活リズムは整います。一方で患者数が多く、昼休みを削って対応する日もあります。急変やクレーム対応もゼロではありません。

院内の健診部門は採血や測定が中心で、処置の種類は限られます。ただし繁忙期は朝から夕方まで立ちっぱなしになります。

透析室は業務の流れが決まっており、予定外の対応は少なめです。その代わり穿刺の技術が毎日問われ、体位交換や移乗の力仕事もあります。

精神科は身体的な処置が少ない病棟です。点滴や吸引に追われることはありません。一方で暴力のリスクがあり、患者さんとの関係で神経を使います。

つまり「誰にとっても楽な科」は存在しません。「自分にとって負担の種類が合う科」があるだけです。夜勤がつらいのか、緊張がつらいのか、力仕事がつらいのか。ここを先に決めないと、異動しても期待した結果は得られません。

診療科を変えても変わらないもの

診療科を移っても、病院という組織の作りは変わりません。病院は24時間動いています。病院にいる限り、いつか夜勤のある部署に戻される可能性が残ります。

異動で変えられるのは業務内容だけです。それ以外がつらさの原因なら、異動では解決しません

企業に転職という選択肢

最近は、病院を出て一般企業で働くという選択肢が注目されています。看護師の経験は一般企業でも評価されており、20代のうちにキャリアチェンジする看護師が増えています。

勤務は日勤のみが基本です。始業は9時前後、終業は18時前後で、カレンダー通りに動くため土日祝が休みになります。年間休日は120日前後の求人が多く、夏季休暇や年末年始も別に取れます。

一番大きいのは、予定が先まで立つことです。子どもの行事、自分の通院、家族との旅行を、シフト表を待たずに決められます。

無理なく働くなら企業という選択肢

無理なく働くなら企業という選択肢

「病院以外で働く看護師は、特別な経歴の人だけ」と思われがちですが、実際には臨床経験2年目から応募できる仕事が多くあります。

以下、夜勤や命に直接関わるプレッシャーから離れられる仕事を紹介します。

産業看護師(企業内看護室)|社員の健康管理がメイン

一般企業の健康管理室に所属し、そこで働く社員の健康を守る仕事です。

主な業務は、健康診断の実施と結果の管理、数値が悪かった社員への保健指導、体調不良者の応急対応、休職した社員が復帰するときの面談です。職場を回って環境をチェックする業務もあります。

急変対応や夜勤はほとんどありません。相手は自分で歩いて来られる人なので、身体介助が発生しない点も大きな違いです。

注意点は2つあります。1つは求人数が少なく、応募が集中することです。保健師資格を持っていると選考で有利になります。もう1つは、看護職が自分1人という職場が多いことです。相談相手がいない中で判断する場面があります。

健診・検診センターや保険会社のメディカルスタッフ

健診センターは、採血、身体計測、心電図、問診が業務の中心です。やることが決まっているため、判断に迷う場面が少なくなります。未経験からでも入りやすい職場です。

一方で、春から秋にかけては受診者が集中します。件数をこなす日が続き、巡回健診では車での移動もあります。

保険会社のメディカルスタッフは、さらに毛色が異なります。加入時の健康状態の確認、診断書の内容チェック、給付金の支払い判断の補助などを担当します。医療の知識を使う事務寄りの職種で、業務のほとんどが座って進められます。体力面の負担を最も減らせる選択肢の1つといえるでしょう。

治験コーディネーター(CRC)

新しい薬を世に出すための試験を、病院と製薬会社の間に立って進める仕事です。

参加してくれる患者さんへの説明、来院スケジュールの調整、検査の手配、データの記録が主な業務になります。臨床経験があると、医師や患者さんとのやり取りがそのまま活きます。

未経験から応募できる求人が比較的多く、入社後の研修制度も整っています。臨床から企業への最初の一歩として選ぶ人が多い仕事です。

新薬に関わるというやりがいとあわせて、新たな医療の知識も身に付き、専門性も高まりやすいです。

参考記事:🔗看護師からCRCに転職!仕事内容や年収・注意点について徹底解説

医療機器・製薬メーカーで働く

自社の医療機器や医薬品について、医師や看護師に使い方を伝える仕事です。フィールドナース(クリニカルスペシャリスト)やクリニカルエデュケーターという職種があります。院内向けの勉強会を開く場面もあります。

現場を知っている人しか担えない役割のため、臨床経験がそのまま強みとして評価され、給与水準も企業求人の中では高めです。

営業担当と一緒に動くため、売上の話題に関わる場面もありビジネス感覚がより養えます。人と話すことが苦にならない人に向いています。

参考記事:🔗フィールドナースになるには?転職に必要な資格と仕事内容をポイント解説
     🔗クリニカルエデュケーター(CE)になる!看護師資格を企業で活かそう

医療系コールセンター|黙々と働きたい人向け

電話やチャットで、医療に関する問い合わせに答える仕事です。製薬会社の相談窓口、受診の相談サービス、健康相談ダイヤルなどがあります。

対応の手順はマニュアルで決まっています。判断に迷えば上長に確認できます。目の前で急変が起きることはなく、その場で自分1人が責任を負う場面もありません。

在宅勤務ができる求人もあり、通勤の負担ごと減らせます。人と深く関わり続けることに疲れた人、自分のペースで淡々と働きたい人に向いています。

目先ではなく長期的な給与を考慮しよう

目先ではなく長期的な給与を考慮しよう

看護師の平均年収は500万円前後といわれます。この金額には、夜勤手当や残業代が含まれています

夜勤がなくなれば、その分の手当は消えます。企業に移った初年度は、年収が50万円から100万円ほど下がることも珍しくありません。ここだけを見れば、確かに損に見えます。

しかし長期的にみれば、企業のほうが高収入というケースもあります。頑張りが給与に反映されにくい病院とは異なり、企業では実績がインセンティブとして反映されることも多いためです。

もう1つ大きいのが、働き続けられるかどうかです。体を壊して退職すれば、その先の収入はゼロになります。夜勤で削られた10年と、日勤で積み上げた10年では、40代以降の差が開きます。比べるのは目先の月給ではなく、10年後も払われ続ける金額です。

臨床を離れるとブランクになる?現場に戻れる?

看護師免許は失効しません。何年臨床を離れても、資格そのものは残ります。

実際に、企業で数年働いたあと病院に戻る人はいます。復職支援の研修を用意している病院もあり、受け入れ体制は以前より整っています。人手不足の現場が経験者を求めているのも事実です。

企業で働くキャリアの積み方

病院でのキャリアは、役職に上がるか、認定看護師などの専門資格を取るかの2択になりがちです。企業には別の道があります。

産業看護師なら、保健師資格や衛生管理者、産業カウンセラーの資格を足していく形です。健康経営を担当する部署の中心人物になる人もいます。

治験コーディネーターは、経験を積んだあとモニター(CRA)に移る道があります。試験全体を管理する立場や、後輩の教育担当になる人もいます。

クリニカルスペシャリストからは、社内の教育担当、製品の企画、学術部門へと道が広がります。

共通しているのは、看護師免許と企業での実務経験を両方持つ人が少ないことです。この組み合わせは転職市場で評価されます。臨床経験は消えるのではなく、土台として残り続けます。

転職を後悔しないために

転職を後悔しないために

やってほしいのは、「絶対に譲れない条件」をまずは3つ考えることです。

すべての希望を満たす求人は存在しません。優先順位がないまま探すと、給与額や会社の知名度で選んでしまいます。その結果、一番つらかった部分が解決しないまま次の職場に移ることになります。

また、条件を書き出す前に、今つらいことの正体を特定してください。夜勤なのか、急変の緊張なのか、特定の人間関係なのか、記録の量なのか。ここが曖昧なまま職場だけ変えると、同じ理由でまた辞めることになります。

最後にもう1つ。辞めてから探すのは避けてください。収入が途切れると、焦って条件を下げてしまいます。在職中に情報を集め、次を決めてから動くほうが、選べる幅は広くなります。

転職のプロに相談してみよう

新しい一歩を踏み出すとき、なんでも1人でやろうとするのは大変です。企業の看護師求人は、病院の求人に比べて数が大幅に少なくなります。募集が出てもすぐ埋まり、そもそも公開されない求人もあります。

そこで活用してほしいのが、弊社のような看護師に強い転職エージェントです。

弊社では、企業転職に必要な情報や公開されていない企業求人を紹介しております。職場の雰囲気や残業の実態などについても、お気軽に質問してください。

「今の働き方を続けられるか自信がない」という段階で構いません。話すうちに、自分が何を一番変えたいのかがはっきりしてきます。

あなたが我慢して働き続けることを、誰も求めていません。無理なく続けられる場所を探す一歩として、まずは下記のバナーよりご連絡ください。お待ちしております。