「ヘルパーの募集をかけても応募が来ない」
「今いるスタッフも高齢化していて、数年後が不安だ」
訪問介護の現場で、こうした声は年々大きくなっています。一方で、外国人材の受け入れには「手続きが難しそう」「利用者宅で本当に任せられるのか」という不安もあるのではないでしょうか。
実は、これまで認められていなかった訪問介護への特定技能外国人の受け入れが解禁され、人手不足に悩む事業所の新しい選択肢になりました。
そこでこの記事では、受け入れの要件・業務範囲・手続き・費用まで、次の一歩を判断できるようにまとめました。
ぜひ最後までチェックしてください。

訪問介護で外国人材の受け入れが解禁された背景

なぜ今、訪問介護で外国人材という話が出てきたのか。まずはその前提から押さえておきましょう。
訪問介護を直撃する深刻な人手不足とヘルパーの高齢化
訪問介護は、介護サービスの中でも特に人材確保が難しい分野です。一人で利用者宅を訪問するため一定の経験が求められる一方、有効求人倍率は他の介護サービスと比べて突出して高い水準が続いています。
さらに深刻なのが、現役ヘルパーの高齢化です。60代以上が大きな割合を占め、現場を支える人材が今後まとまって引退していく局面に入っています。
募集をかけても若い世代の応募が集まりにくく、「今のスタッフが辞めたら事業を続けられない」という危機感を抱える事業所は少なくありません。国内の採用努力だけでは穴を埋めきれない、というのが多くの現場の本音です。
特定技能で訪問介護を任せられる要件は?

「在留資格・事業所の体制・外国人本人の経験」という3つの条件がそろえば、訪問介護を任せることは可能です。一つずつ見ていきましょう。
訪問介護を任せられる在留資格
訪問介護に従事できるのは、介護分野の在留資格を持つ外国人材です。代表的なのが特定技能「介護」(人手不足の分野で即戦力として働くための在留資格)です。このほか介護福祉士の資格を持つ在留資格「介護」なども対象に含まれます。
受け入れる事業所が満たすべき条件
事業所側には、外国人材が安心して利用者宅を訪問できる体制づくりが求められます。
主な条件は次のとおりです。
▪️訪問介護の基本事項・生活支援技術・日本の生活様式に関する研修の実施
▪️実際の業務を通じて指導する一定期間のOJT
▪️本人の成長の道筋を示すキャリアアップ計画の作成
▪️ハラスメント防止のための対応マニュアルの作成・共有
▪️負担軽減や不測の事態に備えたICTの活用を含む環境整備
これらは「外国人材を孤立させずに現場へ定着させる」ための仕組みでもあります。要件は今後も見直される可能性があるため、自社が該当するかは最新情報の確認をおすすめします。
初任者研修など外国人材側に求められる要件
外国人本人にも条件があります。柱となるのが、介護職員初任者研修の修了と、介護事業所などでの一定の実務経験です。
初任者研修は介護の基礎を学ぶ入門的な研修で、訪問介護に必要な知識・技術の土台になります。加えて、いきなり訪問現場に入るのではなく、まず施設などで経験を積んだうえで訪問へ移行する、という順序が前提とされています。
つまり訪問介護は「介護の経験を積んだ人が、次のステップとして担う業務」という位置づけです。具体的な研修内容や必要な経験年数は制度で定められており、要件は変わりうるため、採用前に確認しておくと安心です。
対象となる訪問サービスと任せられる業務の範囲

任せられる業務は介護保険サービスだけにとどまりません。どこまでカバーできるのかを整理します。
介護サービス
介護保険制度における訪問介護が対象です。利用者の自宅を訪問し、入浴・排せつ・食事などの身体介護や、調理・掃除・洗濯といった生活援助を行います。
一人で利用者と向き合う場面が多いため、技術だけでなく利用者やご家族との信頼関係づくりも欠かせません。だからこそ、前述の研修やOJTで現場感覚を養ってから訪問に入る流れが重視されています。
障害福祉のサービス
障害福祉サービスの居宅介護など、訪問して行う支援も含まれます。高齢分野と障害福祉分野の両方で訪問系サービスを展開している事業所にとっては、人材活用の幅が広がります。
ただし対象となるサービスの範囲は制度上細かく定められているため、自社が提供しているサービスが該当するかどうかは、個別に確認することが大切です。
受け入れまでの流れと必要な手続き

「手続きが複雑そう」という不安が、受け入れをためらう最大の理由かもしれません。全体像をつかんでおけば、見通しは立てやすくなります。
受け入れ開始までの全体ステップ
大まかな流れは、対象となる外国人材の確保 → 事業所側の体制整備(研修・マニュアル・キャリアアップ計画など)→ 協議会への適合確認申請 → 確認後にOJTを経て訪問業務を開始、という順序です。
施設での介護受け入れと比べると、訪問特有の確認手続きが加わる点が違いです。一つずつ順を追えば対応できる手続きであり、後述する専門機関のサポートを使えば、事業所側の負担はさらに軽くできます。
適合確認申請と準備する書類
訪問系サービスに従事させるには、外国人材ごとに協議会(介護分野では国際厚生事業団=JICWELS)へ「適合確認申請」を行い、適合確認書の発行を受ける必要があります。
これは「この外国人材を訪問介護に従事させる条件が整っている」と公的に確認してもらう手続きです。準備する書類には、訪問系サービスの要件に関する報告書やキャリアアップ計画などがあり、オンラインフォームやメールで申請します。
この確認書がないまま訪問介護に従事させることはできないため、受け入れ計画の早い段階で押さえておきたいポイントです。
分野別協議会への加入
介護分野で特定技能外国人を受け入れる事業所は、分野別協議会(受け入れ企業や関係省庁で構成される、制度を適正に運用するための組織)への加入が前提となります。
加入により、制度に関する情報提供を受けられ、適合確認申請などの手続きもこの協議会を通じて進めることになります。手続きの窓口を一本化できると考えると、加入は受け入れの土台にあたる作業だと言えます。
関連記事:🔗介護で外国人を受け入れるには?必要な手続きと費用をやさしく解説
受け入れ企業が配慮すべきこと

要件を満たすことと、現場で長く活躍してもらうことは別の話です。定着のために事業所が意識したい点をまとめます。
訪問先の選定
比較的コミュニケーションが取りやすい利用者から始める、緊急対応の少ない案件から任せる、といった配慮で、本人の不安と現場のリスクを同時に下げられます。
慣れてきたら少しずつ担当の幅を広げる、という段階的な進め方が現実的です。
日本語能力に応じたOJT
同じ在留資格でも、日本語の理解度には個人差があります。本人の日本語能力に合わせてOJTの進め方を調整することが、早期離職を防ぐ鍵になります。
専門用語にはふりがなや簡単な言い換えを添える、利用者宅でよく使う言い回しを事前に練習しておくなど、現場で「伝わらない」場面を減らす工夫が効果的です。
ベテランヘルパーが同行する期間を十分に取ることも、本人の自信につながります。
語学学習のサポート
入職後も日本語を学び続けられる環境があると、定着率は大きく変わります。学習教材の提供や勉強時間への配慮、定期的な面談での悩みの聞き取りなど、できる範囲のサポートで十分です。
語学力が伸びれば任せられる業務も広がり、結果として事業所の戦力が底上げされます。本人のキャリアアップと事業所の人材確保が、同じ方向を向いていく形です。
受け入れの費用と登録支援機関への委託

気になる費用についても解説していきます。
採用にかかる費用
費用には人材紹介の手数料、支援にかかる委託費、各種手続きの費用などが含まれます。一人の受け入れにかかる初期費用はおおよそ40万円~60万円程度です。
受け入れる期間や、どの制度・どのルートで受け入れるかによって金額は変わります。自社の規模や受け入れ人数に応じた具体的な見積もりは、個別に相談して確認するのが確実です。
登録支援機関・人材紹介会社の活用
自社に担当者がいない場合や「手続きや支援を自社だけで担うのは難しそうだ」と感じても、心配はいりません。
登録支援機関(外国人の生活サポートを企業の代わりに担う、国の認可を受けた機関)に委託すれば、支援計画の作成や生活オリエンテーション、各種手続きのサポートまで任せられます。
登録支援機関を選ぶ際は、介護分野や訪問系サービスの実績があるか、費用の内訳が明確かを確認しましょう。困ったときに相談しやすい相手かどうかも、長い付き合いになるからこそ大切です。
訪問介護の外国人材受け入れはまず専門家への相談から
ここまで見てきたように、訪問介護での特定技能外国人の受け入れは、在留資格・事業所の体制・本人の経験という条件を満たし、協議会への適合確認申請を経れば実現できます。
研修やOJT、訪問先の配慮といった準備は必要です。ただ、その多くは登録支援機関に委託でき、専任担当がいない事業所でも受け入れは十分に可能です。
とはいえ、自社のサービスが対象に該当するのか、どの在留資格の人材を採用すべきか、費用はどの程度かかるのかなど、個別の事情によって最適な進め方は変わります。
最新の要件は改正されることもあるため、まずは現状を整理したうえで、専門家に確認するのが確実です。
弊社シングルユニティは、外国人材紹介の業務を行い、かつ登録支援機関です。各種手続きに加え、外国人材が安心して職場で働くためのサポートを行っております。
訪問介護における、特定技能人材の採用でお困りの方は下記のフォームよりお気軽にご相談ください。お待ちしております。

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