MRとして働いてきたあなたが転職を考えるとき、最初の大きな障壁となるのが職務経歴書です。

MRの役割は、医師や薬剤師との信頼関係を積み上げながら、自社の医薬品を適切に提供することにあります。日々の活動の中でたくさんの経験を積んでいても、その実績を職務経歴書に的確に言語化できている方は決して多くありません。

結果として、強みが採用担当者に伝わらず、書類選考で見送りになってしまうのはとても惜しいことです。

この記事では、MRが職務経歴書を書くときに押さえるべきポイントを、順を追って説明します。書き始める前の準備から、各項目の書き方、採用担当者が何を見ているか、さらによくある失敗とその直し方まで、まとめて紹介します。

今まさに転職活動を進めている人も、これから始める人も、ぜひ参考にしてください。

MRが職務経歴書を書く前にやること

MRが職務経歴書を書く前にやること

いきなり書き始めると、何を書けばいいか迷ってしまいます。まず準備に時間をかけることが、選考を通過する職務経歴書を作る近道です。

MRとして身につけた経験・スキルを整理する

書く前に、自分がこれまで積んできたものを整理することから始めましょう。

整理するときは、「何をやってきたか」だけでなく「どんな結果が出たか」をセットで考えることが大事です。たとえば「担当エリアで売上目標を120%達成した」「新製品の採用件数をエリアトップにした」といった具体的な数字があれば、それが後の職務経歴書の核になります。

転職先が求めることを先に調べる

職務経歴書は応募先が求めている人物像に合わせて、自分の経験を見せる書類です。そのため、「その会社が何を求めているか」を調べることが欠かせません。

たとえば「チームワークを重視する文化」が伝わってくる会社なら、チームで協力して目標を達成した経験を前面に出すのが有効です。逆に「個人の高い数字へのこだわり」を重視しているなら、個人の実績を具体的に示すほうがよいでしょう。

MR職の職務経歴書の書き方

MR職の職務経歴書の書き方

準備ができたら、いよいよ書き始めましょう。職務経歴書には、自身の経歴を分かりやすく説明するための基本の型があります。まず、その型を押さえておくことが書類作成の第一歩です。

【基本】フォントと文字サイズ

フォントはメイリオ・や游ゴシック・MS 明朝など、画面でも印刷物でも読みやすいものを選びましょう。文字サイズは本文10〜11ptが目安です。

①タイトル・日付・氏名

職務経歴書の冒頭には、書類のタイトル・作成日・氏名を記載します。

タイトル:「職務経歴書」と大きめに記入(中央揃えが一般的)
作成日:提出する日付を記入(西暦)
氏名:フルネームで記入

書類の一番最初の情報なので、丁寧に整えることが大切です

②経歴要約は簡潔に

経歴概要は、採用担当者があなたの職歴を最初に把握する場所です。ここで「MRとしてどんな営業をしてきた人か」を簡潔に伝えます。

書き方のポイントは、入社から現在までの流れを時系列で整理することです。「どこで」「どんな仕事を」「どのくらいの期間」やってきたかを、在籍した各社3〜5行(100〜150字程度)でまとめます。採用担当者が読んで職歴の全体像がすぐに分かればOKです。

例えば「〇〇製薬会社のMRとして7年間、循環器・糖尿病領域の担当を経験しました。担当エリアにて3年連続で売上目標を達成し、新製品の採用数をエリア内で最多にした実績があります。」というイメージです。

最初の数行で「読みやすい書類だ」と感じてもらうことが大切です。

③職務概要は数字を意識して記載しよう

これが職務経歴書のメインになります。書く内容は以下の通りです。

・期間:在籍した時期(例:20XX年4月〜現在)
・担当エリア:営業していた地域
・担当商品・サービス:何を売っていたか
・担当顧客:企業数や顧客の規模感
・営業スタイル:新規と既存の比率
・営業実績:売上目標と結果、達成率、社内順位
・主な取り組み:工夫したことや独自の施策
・特記事項:表彰歴や特別な実績

採用担当者が一番知りたいのは「この人は実際にどんな成果を出したのか」です。そのため、数字で伝えることを徹底してください。

数字での実績の示し方は下記の例を参考にしてください。

「売上目標を達成した」→「年間売上目標に対して130%を達成(全国営業ランキング上位10%以内)」

「新製品の普及に貢献した」→「新製品Aの担当エリア採用数を前年売上〇〇万円から2倍のXX万円に伸ばした」

また、主な取り組みには「なぜその行動を取ったか」という背景も添えると厚みが出ます。「〇〇のために」という目的を一言加えるだけで、内容の説得力が増します。

なお、複数社経験の場合は、上記箇条書きの事項をベースに追記していきましょう。

④自己PRであなたの魅力を伝えよう

職務経歴書の最後には「自己PR」を書きます。ここは採用担当者に「この人に会ってみたい」と思わせるセクションです。

構成としては以下を参考にしてください。

・強みを一言で伝える
・具体的なエピソード(背景・問題→自分が取った行動→結果)
・入社後にどう活かすか

自己PRは2つ書くのが理想です。1つは実績や戦略的な取り組みについて、もう1つはチームへの貢献や指導経験について書くと、仕事の幅が伝わります。それぞれ5〜10行が目安です。

職務経歴書のサンプルはコチラ↓↓↓

自己PRの例文を、次の章でご紹介します。

MRの職務経歴書|自己PRの記載例(サンプル)

MRの職務経歴書

ぜひ、以下の例文を参考にして、自分の言葉でアレンジしてください。

MRの実績を魅力的にアピールする例文

私の強みは、担当エリアにおいて着実に実績を積み上げてきた点です。前職では、循環器領域の担当MRとして5年間勤務しました。最初の2年間は目標未達が続き、苦労した時期もありましたが、医師へのアプローチ方法を見直し、診療科ごとに情報提供のやり方を変えることで、3年目以降は3年連続で売上目標の110%以上を達成できました。特に、新製品の立ち上げ時には、担当エリアの採用数を全国3位まで伸ばしました。採用してもらうだけでなく、処方を継続してもらうためのフォロー活動を重視した結果です。御社でも、この経験を活かして貢献できると考えています。

人間関係の構築力をアピールする例文

私が最も大切にしてきたのは、医療機関の方々との長期的な信頼関係です。MRとして7年間、主に内科・消化器科を担当してきました。訪問の際には、自社製品の情報だけでなく、先生が関心を持っている学会情報や最新の論文を持参し、先生の仕事に役立てるよう努めました。その結果、担当エリア内に「この薬のことはあの人に聞く」と言ってもらえる医師が増え、処方件数も安定して増加しました。信頼関係は一度作れば終わりではなく、継続的なやり取りで育てるものだと考えています。御社でも、顧客との関係を長く大切にする仕事に取り組みたいと思っています。

「壁にぶつかったときにどう乗り越えたか」を示す例文

私の強みは、困難なことに直面したときも工夫して困難を乗り越えられることです。入社2年目に、担当エリアを大きく変更になり、それまでの関係がゼロになりました。新しいエリアでは競合他社の製品がすでに強く、最初の半年はほとんど成果が出ませんでした。そこで、まず医師一人ひとりの課題やニーズを丁寧に聞くところから始めました。そのうえで医師が何を求めているかを把握した上で提案内容を変えていきました。その結果、1年後には新しいエリアでも目標の95%まで戻し、2年後には担当エリアで売上トップになりました。壁にぶつかっても、状況を整理して行動を変え、困難を乗り越える姿勢を、御社でも活かしたいと考えています。

採用担当者の視点は?職務経歴書で企業がチェックしているポイント

採用担当者の視点は?職務経歴書で企業がチェックしているポイント

採用担当者は何を見て「この人に会いたい」と判断しているのでしょうか。ここを知っておくことで、採用担当者の目に留まる書類になります。

実績の再現性と数字へのコミット力

採用担当者が気にするのは、「この人が入社したら、うちの会社でも同じように結果を出せるか」という点です。

大切なのは、「なぜその結果が出たのか」を自分の言葉で説明できることです。たとえば「医師との信頼関係を構築するために、毎回の訪問で新しい情報を持参するようにしていた。その結果、信頼関係が強固となり降圧剤の売上が〇〇万円からXX万円と2倍アップした」というように、自分がとった行動と結果をつなげて書きましょう。

そして、数字へのこだわりは重要なポイントです。自分の実績を数字で把握している人は、入社後も目標に対して真剣に向き合える人材だと評価されます。

企業が求める人物像とあなたのキャリアの合致

採用担当者はあなたの経歴を見ながら「この人がうちの会社で活躍するイメージが持てるか」を確認しています。そのため、応募先の仕事内容と自分の経験をどう結びつけるかが重要です。

たとえば別領域にチャレンジする場合で医療機器営業に応募するなら、これまでの医師への営業経験を前面に出しましょう。IT企業でソフトウェアの開発に携わるのであれば、顧客のニーズをくみ取った経験を出します。同じ経歴でも、応募先に合わせて何を強調するかを変えることで、書類の通過率は変わります。 

職務経歴書でよくある失敗と直し方

職務経歴書でよくある失敗と直し方

書き終えたら、自分の職務経歴書を見直しましょう。よくある失敗をまとめたので、一つずつチェックしてみてください。

基本的なマナーを抑えていない

職務経歴書には、「形式のルール」があります。ここがおろそかになると、内容が良くても丁寧さが足りないという印象を与えてしまいます。

職歴はすべて記載しよう

転職回数が多い場合でも、正社員・契約社員・派遣社員として勤めた職歴はすべて記載するのが基本です。意図的に省略すると、後から発覚したときに信頼を失うリスクがあります。在籍期間が短い職歴も、一行でいいので記載しましょう。

空白期間がある場合は理由を示そう

就業していない期間が3ヶ月以上ある場合は、その理由を書いておきましょう。「家族の介護のため休業」など、正直な理由で構いません。空白があることより、何も書かれていない方が採用担当者には不安に映ります。空白期間の理由を自分の言葉で説明できれば、それは弱点になりません。

「ですます調」か「である調」を統一

文体が混在していると、読んでいて違和感があります。職務経歴書は「です・ます調」か「である調」のどちらかに統一するのが基本です。どちらが正解ということはありませんが、一度決めたら最後まで統一してください。

誤字はNG!レイアウトの崩れにも気を付けよう

誤字・脱字は「確認が甘い」という印象を与えます。書き終えたら、必ず声に出して読んで確認しましょう。 自分で見つけにくいときは、友人や家族に一度見てもらうのが効果的です。

レイアウトについては、Wordで作成した場合、印刷プレビューやPDF変換後に確認しましょう。フォントや行間がずれていないか、余白が均等かをチェックしましょう。

A4用紙2枚がベスト

職務経歴書の枚数はA4用紙2枚が標準です。1枚では情報が少なすぎて「何も書くことがないのかな」と思われることがあります。逆に3枚以上になると読むのが大変になります。情報が多い場合は、応募先に関係の薄い内容を削って2枚に収めましょう。

一文の長さは40~60字で

読みやすい一文の目安は40〜60字です。それ以上になる場合は、文を2つに分けましょう。「〜なので、〜だから、〜ということです」のように接続詞で続けるのではなく、いったん文を切ることで読みやすくなります。

業務を並べるだけになっている

職務経歴書でよくある失敗は、「何をやっていたか」を書くだけで終わっているパターンです。

「医師へのMR活動を行っていました」「製品説明会を実施しました」といった業務の羅列では、採用担当者に何も伝わりません。重要なのは「その業務を通じて何を達成したか」です。

業務だけの書き方:月20回の訪問活動を行っていた

行動+結果の書き方:月20回の訪問を通じて、担当医師からの処方件数を前年比140%に増やした

行動と結果をセットで書くことを徹底しましょう。結果が数字で出ない業務の場合は、「工夫した点」「改善した点」「学んだこと」を補足として加えると厚みが出ます。

応募先と関係ない情報が多い

たとえば営業職への転職なら、営業経験・顧客との関係構築・数字の達成実績を中心に書きましょう。一方で「社内研修の企画運営を担当した」のような情報は、応募先と直接関係がなければ省略するか、短くまとめます

情報が多すぎると「この人は何が強みなのかよくわからない」と思われてしまいます。読んだ人が「この人は〇〇が得意な人だ」とすぐ理解できる構成を目指しましょう。

まとめ|書類通過できる職務経歴書を一緒に作成しよう!

ここまで、MRが職務経歴書を書くときのポイントを一通り紹介しました。

まず書く前に、自分の経験を整理して、応募先が求めていることを調べる。次に、タイトルや要約・職務経歴・自己PRを順番に書いていく。最後に、誤字・文体の統一・レイアウトを確認して完成です。

MRとして積んできた経験は、転職市場でも十分に通用します。医療知識、営業力、信頼関係を築く力、どれも多くの企業が求めているものです。それらを職務経歴書でしっかり伝えられれば、書類通過の確率は大きく上がります

ただ、自分一人で書こうとすると、「これで伝わるかな」「何を削ればいいんだろう」と迷ってしまうこともあります。そんなときは、我々のような医療業界に強い転職エージェントに相談してみてください。

私たちは、MRを含む医療・製薬業界の転職支援を行っています。MR出身のアドバイザーが、弊社経由で企業へ応募のご登録いただいた方を対象に職務経歴書の無料添削サービスを実施しています。

まずはお気軽に下記フォームよりご相談ください。一緒に、採用担当者に届く書類を作りましょう!