体力的な負担や人間関係に疲れ、看護師以外の道を調べ始める人は少なくありません。

その選択肢のひとつが営業職です。実は、看護師として積み上げた知識や経験は、営業の仕事で活きる場面がたくさんあります。

そこでこの記事では、看護師経験を活かせる営業職の種類や、看護師との働き方の違いをまとめました。リスクを抑えて一歩を踏み出すためのヒントとして、ぜひ読み進めてみてください。

企業が元看護師を求める理由

企業が元看護師を求める理由

看護師の経験は病院の外では通用しないと思われがちですが、実際は元看護師を積極的に採用したい企業は少なくありません。 

医療現場を知る人材は医療系企業にとって貴重な存在

医療機器メーカーや製薬会社の主なお客さまは、医師や看護師などの医療従事者です。お客さまが普段どんな環境で働き、何に困っているのか。これを肌で知っている人は、社内にそう多くありません。

例えば新しい機器を紹介するとき、「少ない人数の夜勤でも使いやすいか」「感染対策の手順とぶつからないか」といった視点は、現場を経験した人ならではのもの。現場の目線で話せることが、そのまま営業の説得力になります。

病棟の看護師長や手術室のスタッフとも、共通の言葉で会話ができます。相手にとっても「分かってくれる人」として信頼しやすい存在です。企業が元看護師に期待しているのは、まさにこの点だといえます。

営業職は未経験歓迎の求人が多く門戸が広い

営業職は、あらゆる業界で必要とされる仕事です。そのため求人の数が多く、未経験歓迎の募集も目立ちます。

とはいえ、看護師の経験が活かせるかは別の話。折角の知識と経験を活かすなら医療業界での営業をお勧めします。

医療系の企業は未経験者の採用に慣れている会社も多く、入社後の研修制度が整っているケースもよくあります。商品知識や営業の進め方は、先輩に同行しながら少しずつ覚えていく流れが一般的です。

特に20代〜30代前半であれば、これまでの経験よりも、人柄や学ぶ姿勢を重視する企業もあります。看護師として身につけた丁寧な対応や責任感は、そのまま評価の対象になります。

看護師経験が活かせる営業職4選

看護師経験が活かせる営業職4選

営業職というと、飛び込みで商品を売り込む姿を思い浮かべる人が多いかもしれません。実際には、医療の知識を土台にした提案型の営業が中心の職種もあります。

MR(医薬情報担当者)

MRは、製薬会社の立場から医師や薬剤師に医薬品の情報を届ける仕事です。薬の効果や副作用、正しい使い方などを伝え、適切に使ってもらうための橋渡しをします。

薬を売り込むというより、正確な情報を提供することが役割の中心です。看護師として薬を扱い、患者さんの反応を見てきた経験は、医師との会話で説得力につながります。

MRとして働くには、入社後にMR認定証の取得が求められるのが一般的です。多くの企業では入社後の研修で試験対策を行うため、入社前に資格を持っている必要はありません。既に知識がある看護師であれば、合格しやすいはずです。

詳しい仕事内容については下記の記事も参考にしてください。
🔗看護師からMRへの転職!仕事の魅力と年収・成功の秘訣を徹底解説

医療機器メーカーの営業

医療機器メーカーの営業は、病院やクリニックに医療機器を提案する仕事です。扱う商品は、注射器などの消耗品から、手術で使う機器、検査装置まで幅広くあります。

ただし、営業経験を求める会社も多いので、求人票はしっかり確認する必要があります。看護師が実際に使う機器も多いため、現場でどう使われるかを想像しやすいのが強みになります。

余談ですがメーカーによっては、手術や処置に立ち会って機器の使い方をサポートするクリニカルスペシャリストやフィールドナースという職種もあります。臨床経験がそのまま活かせるため、元看護師が多く活躍している分野です。

詳しい仕事内容については下記の記事も参考にしてください。
🔗フィールドナースになるには?転職に必要な資格と仕事内容をポイント解説

医療系人材サービスやヘルスケアIT企業の営業

医療系の人材サービス会社では、看護師を探している病院と、転職を考える看護師をつなぐ仕事があります。病院側の担当として、採用の悩みを聞き、合う人材を提案するのが主な役割です。

ヘルスケアIT企業では、電子カルテや予約システム、オンライン診療の仕組みなどを医療機関に提案します。現場の業務の流れを知っていることは、システムの導入を進めるうえで大きな強みです。

どちらも、医療現場の困りごとをよく知る人ほど、相手の悩みを具体的に聞き出せます。看護師の働き方を知る立場から、医療の仕組みを良くする側に回れる仕事です。

詳しい仕事内容については下記の記事も参考にしてください。
🔗【市場価値を最大化】未経験から人材業界への転職ガイド

保険営業

保険営業は、個人や企業に生命保険や医療保険を提案する仕事です。医療業界の外の仕事ですが、医療の知識が活きる場面は意外と多くあります。

それにお客さまにとって、医療のことを分かっている担当者は相談しやすい存在です。

未経験からの採用も多く、自分のペースで働き方を組み立てやすい会社もあります。思い切り営業したい、医療業界にこだわらず人と向き合う仕事を続けたい人に合う選択肢です。

看護師と営業職は何が違う?年収・働き方・やりがいを比較

看護師と営業職は何が違う?年収・働き方・やりがいを比較

看護師の平均年収は、公的な統計でおよそ500万円前後とされています。営業職に移ると、この数字や働き方はどう変わるのでしょうか。

年収は成果次第で看護師を上回ることもある

営業職の給与は、基本給に加えて成果に応じたインセンティブ(歩合給)がつく会社が多いのが特徴です。

入社1年目は、夜勤手当がなくなる分、看護師時代より年収が下がるケースも。一方で、経験を積んで成果を出せば、その分が収入に反映されます。

特にMRや医療機器メーカーの営業は給与水準が高めで、経験を重ねると看護師時代を上回る年収をめざせます。目先の年収だけでなく、3年後・5年後にどう伸びていくかをあわせて確認しておくと安心です。

営業目標がある

病院やクリニックでは売上目標が無い反面、営業職には、会社ごとに売上の目標が設定されているのが一般的です。目標を追うことにやりがいを感じる方は向いていると言えます。そして目標を追うからこそ、その過程でビジネススキルが磨かれます。

患者さんではなく医療従事者の課題解決がやりがいになる

看護師のやりがいは、目の前の患者さんの回復を支えることでした。営業職では、関わる相手が医師や看護師などの医療従事者に変わります。

例えば、使いやすい機器を提案することで病棟の看護師の手間が減る。正しい薬の情報を届けることで、治療がスムーズに進む。こうした形で、間接的に多くの患者さんを支えられるのが営業職ならではのやりがいです。

一人の患者さんに深く関わる看護とは違い、一度に多くの医療現場へ影響を届けられます。医療に関わり続けたい気持ちを、別の形で活かせる仕事です。

看護師スキルを営業職向けにアピールする方法

看護師スキルを営業職向けにアピールする方法

まず取り組んでほしいのは、看護師時代の経験を営業の仕事で使う言葉に置き換えることです。同じ経験でも、伝え方しだいで選考での評価は大きく変わります。

傾聴力・観察力は「顧客の課題を見抜く力」に言い換える

看護師は、患者さんの話をじっくり聞き、表情や小さな変化から体調の異変に気づきます。この力は、営業の場面では顧客の困りごとを見抜く力として評価されます。

面接では、具体的な場面を添えて伝えるのが効果的です。例えば、患者さんの話から不安の原因を見つけ、医師に伝えて治療方針の見直しにつなげた経験があれば、それを話しましょう。

多職種連携の経験は「調整力・提案力」として伝える

看護師は、医師や薬剤師、リハビリ職、ケアマネジャーなど、多くの職種と連携して働きます。立場の違う人の意見をまとめ、患者さんにとって最善の方法を考える経験は、営業職で求められる調整力そのものです。

営業の仕事も、社内の技術担当等と、社外の医療機関をつなぐ役割を担うこともあります。退院調整やカンファレンスで意見をまとめた経験があれば、具体的に伝えましょう。

実績等を数字で語る

営業は基本的に目標があります。自分から改善案を出し業務効率を高めた経験があれば、何%改善したかなど数字で語ると説得力が増します。

志望動機の伝え方

志望動機で大切なのは、営業職を選んだ理由と、業界を選んだ理由、そしてその会社を選んだ理由の3つを話すと伝わりやすいです。

例えば、次のような流れで組み立てると分かりやすくなります。

①看護師として働く中で感じた課題
(例:機器の使いにくさが現場の負担になっていた)
↓
②その課題を解決したいと考えた理由
(例:より多くの現場を良くしたい)
↓
③営業職ならそれが実現できる理由
(例:現場の声を製品や提案に反映できる)
↓
④その業界と会社の理由
(例:〇〇を販売している御社で活かすことができる)

夜勤がつらいから、という理由は本音でも、そのまま伝えるのはなるべく避けましょう。前向きな目標として言い換えることで、採用担当者に意欲が伝わります。

看護師の企業転職に強いエージェントへ相談しよう

営業職に興味はあるけれど、自分に合う会社をどう探せばいいか分からない。そんな迷いを抱えたままでは、なかなか一歩を踏み出せないものです。

さらに、看護師から企業への転職は求人の探し方や選考の進み方が病院とは大きく異なります。一人で進めると、自分の強みをうまく伝えられなかったり、合わない会社を選んでしまったりすることもあります。

私たちは、看護師の企業転職を積極的にサポートしています。医療機器メーカーやMRなど、未経験から挑戦できる医療系営業職の求人紹介はもちろん、職務経歴書の書き方や面接対策まで一緒に準備します。

今の職場で働きながら、無理のないペースで進められるのも安心できるポイントです。

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