MRの仕事は、営業経験と専門知識を獲得できる非常にやりがいのあるものです。しかし、ノルマや人間関係が引き金となり、「辞めたい」という気持ちになることがありますよね。
MRという職業を選んだあの日に抱いていた希望が、いつの間にか漠然とした不安に変わっているとしたら。きっとそれはあなたが真剣に自分の人生に向き合おうとしている証です。
今回は、20代・30代のMRであるあなたが、後悔のない選択をするためのヒントをつづります。
若手MRが辞めたいと感じる理由とは?「MRやめとけ」の真相

インターネットを検索すると出てくる「MRやめとけ」という言葉。その言葉の裏側に隠された、業界のリアルを探ります。
市場価値など将来への不安
かつては将来安定と言われたMRですが、近年の医療現場を取り巻く環境の変化に伴い、働き方や雇用形態が変化しています。「自分はこのまま、このスキルだけで生きていけるのだろうか」という不安は、変化に敏感な若手ほど強く感じているはずです。
MRの離職率・減少率
実は、統計データを見れば、MRの離職率は10%前後。全職種の平均は15%前後なので、特段高いわけではありません。
しかし、医療機関において訪問規制や、医療現場や製薬メーカーでデジタルツールの導入に伴い、MRの数は減少しています。さらに、新薬の開発が進まない企業がある中で大手製薬会社も早期退職を募集しており、「一つの会社で定年まで」という安定性は崩れています。
キャリアの変化
デジタルツールの普及により、標準的な情報は医師が自ら手に入れられるようになりました。単に製品知識を伝えるだけでなく、医師の潜在的なニーズを汲み取り、短い面会時間内で価値を提供する論理的思考力がより必要となっています。
役割の変化に伴い、従来の成功体験が通用しなくなったことで、「今のスキルセットで10年後も通用するのか」という不安を抱く層が増えています。
ライフステージの変化で感じる理想とのギャップ
多くのMRにとって避けて通れないのが全国転勤の可能性です。結婚、出産、あるいは親の介護。人によりけりですが人生のフェーズが変わったとき、全国転勤は負担として心にのしかかります。
逆につらい!?「楽すぎる」・「暇すぎる」
意外に思われるかもしれませんが、「忙しすぎて辞めたい」という声と同じくらい、「楽すぎて不安」という悩みが存在します。
担当エリアや製品群によっては、1日の大半を移動と待ち時間に費やし、実質的な営業時間が短いケースも少なくありません。また、既存のお客様がほとんどなので新規開拓の機会が少ないのも現状です。
そのため、「新規開拓を行って営業スキルをアップさせたい」「もっとがっつり長時間、より多くのお客様へ提案したい」と願う若者にとって、MRの働き方は焦燥感につながるはずです。
MRを辞めて後悔しない!向いていない人の特徴

今の仕事に違和感を覚えているなら、それはあなたの能力が低かったり仕事が悪かったりするのではなく、仕事との相性の問題です。
例えば、細かな数字の管理よりも、目の前の顧客とじっくり深くお付き合いをしたいと願う方、営業で場数を踏みたい方、ストック型の営業よりもフロー型の営業を好む方はMRに向いていない可能性があります。
辞めた後に後悔するパターン
最も注意すべきは、「今の環境からの逃避」だけを目的に転職してしまうことです。
実際、 MRの年収水準は、他業界と比較しても非常に高いのが現状です。勢いで転職を決めた結果、年収が大幅に下がり、かつて当たり前だった生活水準を維持できなくなるケースは珍しくありません。
MRの仕事は「製品を売る」ことよりも「情報提供による処方促進」が軸です。しかし他業界(特にSaaSやメーカー営業など)では、見積書の作成、価格交渉、契約締結といった「クロージング」のスキルが求められます。一方、前述の通り他業界の企業によってはルート営業でなく、新規開拓も求められます。
さらに、医師という特定の専門家を相手にする独特のスタイルに慣れすぎているため、一般企業の組織的な意思決定(稟議や多部署への根回し)に馴染めないケースが少なくありません。その結果、転職直後に成果が出せず、自信を失って後悔する方もいます。
辞めるのはちょっと待って!MRに向いている人の特徴も理解しよう

今の環境に苦しんでいると、「自分はMRに向いていない」と思い込んでしまいがちです。しかし、実際には現在の会社の評価制度や製品パイプラインと相性が悪いだけというケースも多々あります。
以下の特徴に当てはまる方は、業界を去る前に、現職の継続、もしくはMRとしての転職を検討する価値が十分にあります。
高度な専門知識を追求することが苦にならない
医学・薬学の知識は常にアップデートされます。日々の論文チェックやガイドラインの読み込みを知的好奇心を持って楽しめる人は、MRとしての最大の適性を持っています。
そして専門性が高まるほど、医師からの信頼も厚くなり、医師の右腕として頼られるでしょう。
社会貢献や「患者さんの利益」に強いやりがいを感じる
「自分が医師に提供した情報が、適切な処方を通じて目の前の患者さんを救う」という感覚に喜びを感じられる方は、この仕事の本質を掴んでいます。他業界の営業では味わえない、命に関わる仕事としての誇りを持っているなら、環境を変えてでもMRを続けるメリットは大きいはずです。
MRに向いているなら辞めるのではなく場所を変える
もし上記の特徴に当てはまるのに「今の仕事が辛い」と感じているなら、それはあなた自身の能力不足ではなく、環境の不一致かもしれません。
・新薬のパイプラインが乏しく、将来性が描けない
・古い営業スタイルが強制され、スキルの変化についていけない
・適正な評価が受けられず、モチベーションが維持できない
このような場合は、業界を去るのではなく、より専門性を発揮できる領域を持つ他社や先進的なメーカーへ、MRとして転職することで解決できる可能性が高いです。
自分の適性を見直し、最適な環境を選び直すことが、後悔しないキャリア選択への第一歩となります。
市場価値をあげよう!20代・30代のMR転職におすすめの職種

今のキャリアを捨てるのではなく、今のキャリアを足場にして、より高く跳べる場所を探しましょう。
MRから他の医療業界に転職
医療機器メーカーへの転職
医薬品とは異なり、医療機器は手技や運用に関わる場面が多くなります。現場で実際にデバイスが使われ、治療の結果が目に見えるやりがいは、MRとはまた違った喜びをもたらすでしょう。
医療コンサルタントへの道
病院経営の効率化や、地域医療連携の構築。MRとして培った「俯瞰して医療現場を見る目」は、コンサルティングの世界で大いに活かされます。
医療の仕組みを変えることで多くの患者さんを救う。そんな壮大なビジョンに惹かれたり、課題解決が得意なら、この道がおすすめです。
医療ITも活躍の場
電子カルテ、遠隔診療、予約システムなど、医療現場のDX化(デジタルトランスフォーメーション)は急務です。現場の課題感を肌で知っているMRがITという武器を手にすることで、唯一無二の存在になれる可能性を秘めています。
話題のヘルステックで市場価値を上げに行く
AI診断支援やウェアラブルデバイスを用いた健康管理など、最先端の「ヘルステック」領域も、若手MRにとって魅力的なフィールドです。スタートアップのような変化の激しい環境で、自らの手で市場を切り拓く経験は、あなたの市場価値を飛躍的に高めるに違いありません。
異業界・異業種の道へ
IT・SaaSでも活躍
一見、全く異なる業界に見えますが、実は営業プロセスの構造や求められる資質において、MRの経験が高く評価される共通点が多く存在します。エビデンスに基づいた情報を取り扱っているMRにとって、目に見えない価値を言語化して伝えるスキルは、そのままIT業界での強みになります。
複雑な製品仕様や最新のテクノロジーを理解し、顧客に合わせて噛み砕いて説明する能力は、MRが日常的に行っている学術情報の提供と非常に近いプロセスです。
営業に自信のある方はM&A業界も
企業の存続をかけた高度な交渉が求められるM&A仲介。極めて高い報酬と、経営者と対等に渡り歩く知性が求められるこの業界は、バイタリティ溢れる20~30代のMRにとって、自身の限界を突破する挑戦の場となるでしょう。
若手は総合コンサルティングファームの道も
「医療系の大手企業へコンサルをしたい」と思うのでしたら、ポテンシャル採用で総合コンサルティングファームの道もあります。
大手の総合コンサルティングファームでは、医療業界の知識を持つ人材を強く求めています。特に「ヘルスケア部門」や「ライフサイエンス部門」では、製薬メーカーでの戦略立案など、MRとして培った現場感覚がそのまま武器になるプロジェクトが数多く存在します。
今後のキャリア幅を広げる意味でも、この選択肢を検討するのもよいでしょう。
保険の営業でトップセールスを目指す
お客様のライフプランやニーズをヒアリングし、最適な保険を提案して契約に結び付ける職業です。医療保険もあることから、医療の知識も活かせます。
MR時代に培った緻密なアプローチ手法を駆使すれば、トップセールスとして活躍することも決して夢ではありません。
MRとして転職する道
会社を変える、あるいは雇用形態を変えることで、理想の働き方を手に入れる方法もあります。
CSOでコントラクトMRとして働く
製薬業界の構造変化が激しい現在では、MRとしての専門性を磨くうえでCSO、すなわちコントラクトMRとしての働き方が注目されています。メーカーMRの場合、一度配属されると長期間同じ領域を担当することが一般的です。
しかしコントラクトMRはプロジェクト単位(通常1〜3年)で動きます。オンコロジーや希少疾患など、複数の専門領域・製薬会社を経験することで、どこでも通用するMRへと成長できます。
専門性を求めて転職
オンコロジーや希少疾患など、より高い専門性が求められる領域へ特化したメーカーに移るという選択肢もあります。自分が得意とする領域で活躍することで、やりがいをもって仕事に取り組めます。
後悔しない転職先を選ぶコツ

選択肢が多いからこそ、自分なりの「ものさし」を持つことが重要になります。
ミスマッチを防ぐ!自分の特性を理解しよう
「何ができるか」も大事ですが、「何を大切にしたいか」も言語化してください。競争が好きなのか、サポートが好きなのか。一人で完結したいのか、チームで成し遂げたいのか。
また、体育会系の気質なのか、文化系なのか等、自分の特性をゆっくりと棚卸してみましょう。そのうえで、何を基準に仕事を選べばいいのか、自分の「ものさし」で仕事を探してみてください。
自己分析をしっかりと行うことが、後悔しない転職のカギとなります。
MRの経験を活かせる転職先を選ぼう
全くの未経験領域に飛び込む勇気も素晴らしいですが、年収やキャリアアップを考えた場合、これまでに培った「医療従事者との信頼関係の築き方」や「コンプライアンス意識」を捨て去るのはもったいないことです。
MRのスキルを活かせる仕事はたくさんあります!過去を否定するのではなく、過去に何を付け足せば最強になれるか、という視点を持ってみてください。
【必須】短期・長期の年収は要チェック!
転職直後の年収だけで判断するのは危険です。5年後、10年後の昇給モデルや、その業界自体の成長性を加味して検討しましょう。
一時的に年収が下がっても、その後の伸び代が大きければ、それは自己投資と言えます。
転職を成功させるための実践的なステップ

未来を切り拓くためには、具体的な行動と思考の整理が必要です。
退職理由をポジティブに変換するコツ
「〇〇が嫌だから辞める」という不満は、裏を返せば「もっと〇〇したい」という欲求の裏返しです。
「会社が保守的でつらい」なら「よりスピード感のある環境で自分の力を試したい」。「将来が不安」なら「自らの介在価値がダイレクトに反映される環境で専門性を高めたい」。言葉の向きを変えるだけで、あなたの印象は「去る人」から「挑む人」へと変わります。
「医療」×「営業」の希少性をアピール
医療の専門知識を持ち、かつ営業としてのマインドセットが備わっている人材は、世の中にそう多くありません。この掛け合わせこそが、あなたの希少価値です。
自分がどれほど誠実に、いかに論理的に医師を動かしてきたか。そのプロセスを丁寧に説明できるよう面接の準備をしましょう。
医療業界に強いエージェントの活用
自分一人で悩んでいても、見える景色には限界があります。
業界の動向を熟知し、あなたのキャリアを客観的な資産として評価してくれるパートナーの存在は不可欠です。弊社では、MR出身のエージェントがあなたの抱える悩みに寄り添います。
まとめ|「辞めたい」はキャリアアップのチャンス
「辞めたい」という心の声は、今のあなたが現状に満足せず、もっと良い自分になりたいと願っている健全なサインです。
その感情を押し殺すのではなく、新しい自分に出会うためのエネルギーに変えてみませんか?
あなたが積み上げてきたMRとしてのキャリアは、これからの人生を支える強固な土台となります。大切なのは、周りの評価ではなく、あなた自身が納得感を持って歩める道を選ぶことです。
もし今、暗闇の中で道に迷っているような感覚があるなら、一度私たちとお話ししてみませんか?
弊社では、あなたの現在地を整理し、一歩踏み出すためのお手伝いをMR出身のエージェントが行っております。もちろん、「転職するかどうかもまだ決めていない」という状態でもかまいません。
ぜひ、下記の無料相談フォームからお気軽にお問い合わせください。お待ちしております!


