患者さんの命を預かるという責任、心身を削る夜勤や終わりのない業務。そんな状況で、自身の給料に疑問を感じたことはありませんか?
実は、責任の重さや夜勤に対して給与が見合っていないと感じる理由には、医療業界特有の問題が関係しています。
当記事では、看護師の給料に不満を感じて転職を果たした元看護師が、給料が低いと感じる背景を探り主な理由を明らかにします。
さらに、現在の負担を減らしながら納得できる収入を得るための具体的な方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
実際どうなの?看護師の給料事情

初めに、看護師の給料事情を確認していきましょう。
給与明細をみてみよう

まず、あなたの給与明細を改めて確認してみましょう。
基本給、社会保険料など様々な項目が記載されています。
ここで注目してほしいのが、基本給の低さと夜勤手当・残業手当の占める割合の高さです。
労働者全体からみた看護師の給料
看護師の平均年収は約510万円。全職種の平均をやや上回る傾向にあります。
しかし、手取りになると月25〜30万円ほど。夜勤手当がないと生活に余裕が出にくいのが現状です。さらに賞与も病院の経営状況に左右されるため安定しているとは限りません。
拘束時間の長さ・心身の負担を考えると、実質的には“割に合わない”と感じるのも当然です。
医療従事者の中での比較は?
医師・薬剤師と比べると、看護師の給与水準は低いです。医師の平均年収が1,200万円を超える一方で、看護師はその半分以下。医療チームの中で重要な役割を担いながらも、報酬面では十分に評価されていないのが実情です。
看護師の給料が上がらない理由

どうして私たち看護師の給料はあがらないのでしょうか?その理由を深堀していきます。
病院経営の問題
診療報酬の引き下げや経営コストの上昇により、病院の経営はかなり厳しい現状に置かれています。そのため、赤字が続き倒産する病院もゼロではありません。
人件費の増額が難しいため、給料が上がりにくい状況です。さらに、経営が厳しい病院はボーナスも減少しています。冬のボーナスが月々の給料と変わらない、ということも。
責任への対価は?
患者さんの命を預かるという看護師の仕事は、計り知れないほど重い責任を伴います。精神的な負担やプレッシャーに見合った報酬ではない、ということが給与面の不満につながっています。
危険手当がない
看護師の職場は感染症の罹患リスクが高く、放射線や抗がん剤の暴露の可能性がある環境。かなり危険を伴う職場であるにも関わらず、危険手当が設定されていない施設も多いのが現状です。
夜勤の負担が重たい
夜勤を増やし、夜勤手当で収入を補う看護師も多いですが、身体への負担や生活リズムの乱れは深刻です。
残業代や夜勤で稼ぐ、という構造自体が給与面への不満を生み出しています。
基本給が少ない
多くの病院では基本給が低く抑えられています。そのため夜勤や残業が減ったりすると、手当が減少し給与全体の額が減ってしまう構造です。
頑張っても昇給が難しい
経験年数を重ねても昇給額がわずかであり、新人の頃と比べてもほとんど給料が変わらないということも。
評価制度が曖昧な病院も多く、努力が給与に反映されにくい構造が問題です。
負担の大きさに比べて給料が少ないというのが、割に合わないと感じる理由です。
対策その① 負担を減らそう
1つ目の対策として、負担を減らすという方法があります。
夜勤のない職場を見つけよう
夜勤がないクリニックや健診センター、訪問看護などの職場を選べば、体の負担を減らすことができます。やはり夜勤手当がなくなるため収入は多少下がりますが、心身の健康を守るメリットは大きいです。
精神的負担が少ない診療科はある?
急性期病院では、どの診療科であっても忙しく精神的負担が大きい傾向にあります。クリニックや健診センターは、急変対応が少なく患者とのトラブル対応も比較的少なめです。ストレスを軽減したい方におすすめです。
対策その② 給料をあげよう

2つ目の対策は、給料をあげる方法です。
病院内での昇給を目指す
管理職を目指すことで基本給を上げる道もあります。看護師長以上になれば年収は上がりますが、その分昇進のハードルが高く、責任やストレスも大きくなります。
資格を得て給与アップ
認定看護師や専門看護師、特定行為研修の終了資格を得ることで手当が付く職場もあります。
しかし資格手当は月に数千円〜1万円という病院が多く、大幅な年収アップは見込めません。
認められるなら副業も手段
病院の規定で副業が認められているのであれば、単発の派遣看護師やオンラインの健康相談などで収入を増やす手段もあります。ただ、無理をして本業に支障が出ないよう注意が必要です。
キャリアアップを目指した転職
現在の病院勤務で給料アップが難しいと感じるのであれば、キャリアアップを目指した転職が効果的です。給与水準の高い病院やインセンティブ制度のある企業など、あなたのスキルと経験を正当に評価してくれる場所は必ずあります。
年収1,000万円超えもありうる!看護師資格を活かした転職

せっかく頑張って働くならたくさん給料がほしい!そんな希望を叶える職場をご紹介します。実は、看護師の専門知識と経験は病院以外でも高く評価されているのです。
フィールドナース
医療機器メーカーなどに勤務し、自社製品の導入や技術的なサポートを行います。クリニカルスペシャリストとも呼ばれる仕事です。
フィールドナースの年収帯は約500万~800万円です。経験を積めば年収1000万円以上の可能性もあります。
参考🔗フィールドナースになるには?転職に必要な資格と仕事内容をポイント解説
MR(医療情報担当者)
医師・薬剤師・看護師に自社医薬品の特性や使用法、安全性などの情報提供を行います。
MRの平均年収は約570万~700万円程度です。さらに、成果に応じたインセンティブで高収入が期待でき、年収1,000万円以上の方も比較的多くいらっしゃいます。
参考🔗看護師からMRに転職!仕事の魅力と年収・成功の秘訣を徹底解説
CRA(臨床開発モニター)
CRO(医薬品開発受託機構)や製薬会社に所属します。医療機関を訪問し、治験が正しく実施されているか、データの信頼性が保たれているかなどをモニタリングする仕事です。
CRAの年収帯は約500万~700万円とされています。さらに昇給やボーナス等で年収1,000万円以上を得ることも可能です。
参考🔗看護師からCRAを目指す!転職に失敗しないためのポイント解説
医療コンサルタント
医療機関の経営課題を分析し、改善策を提案・実行します。看護師の経験が医療コンサルティングに役立つことは多いです。
医療コンサルタント業の年収帯は600万~1,200万円と高く、短期間で年収1,000万円を達成することも可能です。
まとめ
看護師の給料が「割に合わない」と感じる背景には、個人の努力では解決しづらい業界構造の問題など、様々な理由が存在しています。
問題解決のために、夜勤などの負担を減らす・病院内でキャリアアップを目指すという選択肢があります。そして何よりも看護師資格を活かせる病院以外の高収入な転職先を探すことが、納得できる給料と充実したキャリアを築くための鍵となります。
「私には無理かも」と諦める前に、ぜひ私たち転職エージェントにご相談ください。年収アップと納得できる働き方を実現するための最適な転職先を一緒にみつけましょう!
弊社では、看護師から企業への転職サポートを積極的に行っております。
下記フォームよりお気軽にお問合せください。


